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4コマ風劇場(ただの小ネタ)― ―夏休み編 ☆泳げない☆ 勇弥「夏といえば、プール!」 奈海「あぁー、気持ち良い。」 コイン「正義くんも早く!」 正義「実はボク、泳げないんだ。」 大王「なに?それは大変だな。水中戦がないとも限らん。」 正義「じゃあ今すぐ練習しよう。」ブクブク 大王「まずは呼吸から。吸って、吐いて。次は足バタ、その次は腕のかき方だ。」 正義「・・・こうかな?」バシャバシャ コイン「ねぇ、なんで大王は飛んだまんまで泳がないの?」 大王「水着が無い、これを脱ぐ気もない。逆にお前の水着はどこにあったんだ?」 ●大王ポリスー。ちなみにコインは巫女服模様のスク水だそうな。(どこにも売って)ねぇよ。 ☆どれぐらい?☆ 大王「ではどれぐらい泳げるか試してみるか。」 正義「分かった。」バシャン! 勇弥「がんばれぇ、正義!」 大王「無駄な力を抜かないと直ぐに力尽きるぞ!」 正義「・・・。」バシャ、バシャ 奈海「その調子、もう少しよ!」 正義「・・・。」バシャ、バシャ 勇弥「・・・、25m泳ぎきったぞ、何が不満なんだ?」 正義「このあと、どうやってターンするかが、分からなくて。」はぁ、はぁ 奈海「オリンピックでも行かない限りターンする必要ないわよ!?」 ●けっこう完璧主義者な正義。しかし一生涯のうちに泳いでいる時にターンを使う時は来るのか? ☆スイカ割り☆ 勇弥「夏といえば海!」 正義「『スイカ割り』ってやった事無いんだよね。」 奈海「じゃあ早速やってみましょ。私からね。」 勇弥「まずぐるぐる回って・・・。」 奈海「じゃあ行くわよー。」 正義「奈海ちゃんがんばれぇ!もうちょっと右ィ!」 大王「目隠しでスイカを割る?なんだそれは? 視覚以外の感覚に頼って敵を倒す訓練か?しかし教えてもいいのか、分からん。」 奈海「ここ!」バコッ 正義「おぉ、すごい!」 大王「さすが少女。なかなかの腕だ。」 勇弥「今すぐ両手を開きな。今なら怒らないぞ。」 奈海「えっ、なんで分かったの?!」 正義「?」 ●ズルは、よくない。 ☆平和だ☆ 奈海「いたた、まさかコインちゃん使ってた事がバレるとは。」すりすり 勇弥「すんなりスイカに向かって行ってたら分かるわ!」 正義「勇弥くんも奈海ちゃんも早くぅ。大王も泳ごうよ。」 コイン「そーだそーだ!」 大王「この服脱いだら人間との違いが分からんだろ。敵が出たら考えてやる。」 正義「あ、都市伝説!あそこだよ!」 勇弥「なに!?こんな時にッ!」 奈海「いったい何が?!」 河童「いやっほォォォー!」ザァバァァァ・・・! 奈海「河童が、海でサーフィンしてる・・・。」 勇弥「いや、河童は川で相撲だろ。常識的に・・・。」 正義「楽しそうだからいいか。大王も早く来ないと河童に負けるよぉー!」 大王「あいつの何処に負けるんだ?!」 ●なんかそんなのがいるって聞いてやりました。後悔?もう枯れましたよ。 ☆盆帰り☆ 正義「夏といえば、学校町へ盆帰り。」 大王「あの2人がいないと静かだな。」 正義「お父さん久しぶり!」ギュウ 黄昏父「よぉ正義。元気だったか?」 大王「(やはり寂しいのを耐えていたのか。)」 黄昏父「残念だが裂邪は散歩でな。ひょっとしたら恥ずかしくなって逃げたのかもな。」 正義「えぇ、久しぶりに会えると思ったのに。」 黄昏父「まぁゆっくり待っていたらどうだ?そのうち帰ってくるだろ。」 大王「(待て!あんな奴を野放しにしていて良いのか?!)」 ●学校町逃げてぇー!そう思っていた時期が、僕にもありました。 ☆ふと☆ 黄昏母「ゴハンは大丈夫?」 黄昏父「あぁ、裂邪がなんとかしてくれている。」 黄昏母「え?ゴハンの作り方なんて教えたかしら?」 正義「へぇ、お兄ちゃんもがんばっているんだね。」 正義「ところで大王。」 大王「なんだ?」 正義「ボク達が学校町にいる時、なんで都市伝説に遭遇しないんだろうね?」 大王「知らん。」 ●裂邪のおかげ?他の誰かのおかげ?大王のおかげかもしれませんが。 ☆宿題☆ 正義「夏といえば日記!」 大王「修行の時間が減るぞ、早くしろ。」 黄昏母「あら、宿題しているところ始めてみたけど。」 正義「あ、他のは勇弥くんのところで全部終わらせたから。」 黄昏母「・・・、いつ?」 正義「夏休み始まる前。」 正義「あ、でも勉強会開いているからついていけなくなるとかは大丈夫だからね!」 黄昏母「ならいいけど。」 ●勇弥&その都市伝説、神説。あなたの家にもいかが? ☆黄昏☆ 正義「夏といえば。」 勇弥「始業式、もうそんな時期かぁ。」 奈海「早いわねぇ。」 コイン「もうちょっと遊んでいたかったなぁ。大王が修行修行うるさいから。」 大王「修行は大事だ。」 正義「もう修学旅行へ行って冬休みが終わったら中学生だね。」 大王「そして学校町、か。」 勇弥「そうか!まだ楽しめるところが2回もあるのか!」 奈海「修学旅行楽しみね。」 大王「(まったく、元気なやつらだ。)」 正義「うん、楽しみだね。ねぇ大王。」 大王「おい、もう俺もついて行く予定なのか?!」 ●もはや手遅れ。次は、修学旅行編です。 ―修学旅行編 ☆電車で☆ 勇弥「では、修学旅行始まりぃー!」 正義「楽しみだなぁ。」ワクワク 奈海「勇弥、電車では静かに。ほんと楽しみねぇ、正義くん。」 勇弥「ちぇ、正義だけ・・・。じゃあ静かにしりとりでもするか?『りんご』。」 奈海「そうしようか。『ごま』。」 正義「ん~『まんと』!」 コイン「えぇっと、『とーてむぽーる』!」 大王「・・・。」 正義「おーい、大王の番だよ。」 勇弥「早くしてくれよな。」 大王「いや、本当に俺はここにいて良いのか?今からでも帰るぞ?」 ●結局ついて行く事になった大王であった。 ☆しりとり☆ 大王「『ルアー』。」 勇弥「お、『あり』。」 奈海「『りす』。」 正義「『すずめ』!」 コイン「『めーる』!」 大王「る、『ルール』。」 勇弥「ん、『るびー』。」 奈海「『びすけっと』。」 正義「『とんぼ』。」 コイン「『ぼーる』。」 大王「る?『瑠璃(るり)』。」 勇弥「悪い『りーる』。」 奈海「え?『るーぶる』。」 正義「えと、『るしふぇる』。」 コイン「んじゃあ『るくそる』。」 大王「る、る・・・、貴様ら嵌めたなァ!」 勇弥「だってそうじゃないとつまんないじゃん。」 奈海「思いつかない方も悪い。」 コイン「まだまだあるわよぉ。」 ●だいおう は やぶれた!勉強しような、最初が『る』の言葉。 ☆パス☆ 先生「ここが有名な水族館です。」 男児A「すげぇー!どうなってんだ?」 正義「エサやりやってるー!いいなぁ、楽しそう。」 勇弥「おーい皆!あんまり騒がしくしなかったら、裏側へ入ってもいいってさ。」 奈海「うるさぃってえぇ!?ほんと?」 先生「そうなの?何かのイベントかしら?」 係員「ど、どうぞこちらへ。」 女児達「わぁ、すごぉーい。」キャッキャッ 正義「わぁい!」ワクワク 勇弥「いやぁ父さんから貰ったやつが役に立ったよ。」 奈海「ふぅん、何貰ったの?」 勇弥「これ。ここのフリーパスらしいよ。」 奈海「へぇ、こんなのどこで」 男児B「おい、それここの株を持ってないと貰えないやつだぞ。」 ●勇弥の隠された設定が明らかに?!まぁ気付く人は気付くんですが。 ☆金持ち?☆ 正義「うわぁ、いっぱい来たぁ!」 児童達「「俺も」」「「私も」」キャッキャッ 奈海「株ってお金持ちがやるものだと思っていたけど、・・・。」 奈海「勇弥がやっているのは、その、一般市民でもやるよーって事?」 コイン「そんな訳ないじゃん。お金持ちなんでしょ?家も大きいし。」 勇弥「いやぁ、そんな自覚は無かったんだけどな。」 大王「謙遜するな。実際、庭も広かったぞ。」 勇弥「いや、でもあれさぁ。」 勇弥「他の家と比べたら結構小さいんだぞ。庭も比較すると何倍かぐらい」 大王「すまない。恩を仇で返してもいいか?」 奈海「今日限りで友達辞めるわよ?」 ●実は結構前から金持ちフラグあったんだよ、小1の時から【電脳世界=自然界論】と契約できる環境があるっていう。 ☆イルカショー☆ お姉さん「ではイルカのショーを始めます!」バシャァ!バシャァ! 正義「うわぁ、すごい。」 奈海「まったく、コインちゃんもあれぐらい言う事聞いてくれたらねぇ。大王さんも。」 コイン「えぇー、別にいいじゃん。このままでも。」 大王「俺にまで飛び火しているのか。」 奈海「当たり前じゃない。契約している以上、あなた達はしもべなのよ?」 正義「え?大王は友達だよ?コインちゃんも友達でしょ?」 勇弥「そうだ、友達だよなぁ。しもべは酷いよなぁ。」 コイン「そうよねぇ。ずっと友達だと思ってたのにさ。」 大王「ま、少年らしい回答だな。」 奈海「え?あ、ご、ごめん冗談よ。ちょっと言い過ぎた。本当にごめん。」 ●しもべ× 友達○、これ重要。 ☆お土産☆ 正義「うぅん、どれにしようかなぁ。」 勇弥「ん?どうかしたか?」 正義「お土産なんだけど、これはちょっと高くてさ。でもお父さん達の事考えると、食べ物はダメだよね。」 勇弥「あぁ、それぐらいなら貸してやるよ。余分に持ってきちまってな。」 奈海「ほんと金持ちは、・・・そうだ!」 コイン「え?・・・あぁ、なるほど!」 勇弥「ん?嫌な予感が・・・。」ゾクッ 奈海「この大きなぬいぐるみ買ってくれたら許してあげるわ。」 コイン「じゃあ私この記念コイン。」 勇弥「やはりそうきたか!ぬいぐるみ地味に高ッ!でも記念コイン安ッ!」 大王「じゃあ俺は世界征服で。」 一同「「それはダメ!」」ビシィッ ●1番高い望みは大王か奈海か!?実は家族3人分高級品を買った正義でした。 ☆バイキング☆ 奈海「やっぱりこの時間が幸せよねぇ。」 勇弥「女らしいというか。と言いつつ、バイキングでは好きなものだけ取るオレ。」 大王「少年はバランスよく摂れよ。」 正義「心配しなくても大丈夫だよ。」 奈海「あれ?大王さんは食事要らないの?」 正義「大王はゴハン要らないんだよ。」 大王「都市伝説は食事なんか取らなくても」 コイン「あぁおいしぃー!」 コイン「あ、これもいいね。おかわり取ってこよ。」 正義&大王「・・・。」 正義「大王、もしかして我慢してた?」 大王「いや、していない。たぶん必要なやつと必要ないやつが有るんだ。きっと。」 ●他作品では、都市伝説の食事行為は結構確認している。大王・・・。 ☆例によって☆ 正義「勇弥くん、大王、おやすみー。」 勇弥「おぅおやすみー。」 大王「あぁ。」 正義「・・・、都市伝説?」 勇弥「なに?本当か!?」 大王「・・・、ベッドの下だな。おそらく。」 下男「・・・。」 正義「やっぱり【ベッドの下の男】!」 勇弥「ちぃ、現れたな!」 大王「安心しろ、こっちの味方だ。」 正義「え、『楽しそうだからついて来た。他にも何人かいる。』?本当!?」 勇弥「おいおい全員集合かよ。すごいな。」 大王「おい、翻訳の量がだんだん増えてきたぞ。大丈夫なのか?」 ●都市伝説、全員集合!ひょっとしたら、正義は都市伝説の言語翻訳において人外になりつつある? ☆遊園地にて☆ 奈海「修学旅行のメインイベント!」 コイン「遊園地ー!」 勇弥「元気だな。」 大王「全く。」 正義「まずジェットコースターだよね。」 勇弥「いや、お化け屋敷の方も気になるぞ。色々な意味で。」 大王「なんだ?都市伝説が大量にいるのか?」 奈海「お昼はここよ。絶対に忘れないでね。」 コイン「メリーゴーランドも絶対だよ。」 勇弥「・・・で。」 都市伝説達「「・・・。」」ゾロゾロ ワクワク 勇弥「こいつら入ってもいいのか?」 大王「さぁ?見えないんじゃないのか?」 正義「【テケトコ】は高校生っぽいからセーフだね。」 ●リアルタイムで想像して吹いたその光景。 ☆落し物☆ 奈海「あの子が落し物したんだって。手伝って。」 勇弥「お前1人でも見つかるだろ。コインちゃん的な意味で。」 正義「コインちゃん、メリーゴーランド行ったからしばらく無理だよ。」 勇弥「まったく、こういう時に限って。」 正義「【テケトコ】も手伝ってくれてるから。」 奈海「皆ごめんね。うぅん、どこかなぁ。」 大王「何故俺まで・・・。」 正義「あ、【テケトコ】が見つけたみたいだよ!」 勇弥「そうか、それは良かったなッ」 奈海「あぁ、【テケトコ】さんありがッ」 テケテケ「・・・。」ニコニコ テケテケ 奈海「きゃあ怖イィィィィイー!」 勇弥「分裂状態の時に無言の笑顔で来ないでくれェェエ!」 正義「もぅ、失礼だよッ、て【トコトコ】だァ!気持ち悪いィイィイ!」 ●【テケトコ】大活躍。上下に分裂するその体は、探し物にも、人を脅かすのにも使えます。(主に後者。) ☆普通に怖い☆ 大王「これが『お化け屋敷』か?都市伝説がいないじゃないか。」 コイン「そんなのいる訳ないじゃない。全部模型か人が入っているだけだよ。」 奈海「そうそう、こんなの怖くなぁーい!」 勇弥「お、都市伝説。」 奈海「きゃあぁ!って作り物じゃない!もぅ騙すなんてぇ!」 正義「あ、本当に都市伝説。」 奈海「ふん、この私が正義くんの嘘に引っかかる訳」 奈海「きいゃあぁあぁ!動くガイコツぅうぅ?!」 骨格標本「・・・。」カタカタ 正義「違うよ、【骨格標本】だよ。」 勇弥「なんでここに?」 骨格標本「・・・。」カタカタ 正義「ふぅん、そうなんだ。大変だね。」 大王「とうとう翻訳しなくなったぞ。」 勇弥「オレ達をおいていくなァアァ!」 ●ちなみに、迷子にならないよう道案内をしていたようです。 ☆出てこない?☆ 奈海「いやぁ、ここのパフェが絶対に食べたくてね。」 コイン「うわぁ、おっきいなぁ。」キラキラ 勇弥「まったく、よく食べるねぇ。」 正義「・・・。」 大王「少年、何を考えている?」 正義「いや、あのマンホールから【白ワニ】が出てくるかな?と思って。」 大王「・・・そうか。しかし、現実は現実だ。」 奈海「(あいつ今度会ったら絶対に酷い目にあわせてやる!)」 勇弥「(あいつ今度会ったら絶対にこの世から消してやる!)」 コイン「(うわぁ、2人の顔がすごく怖い。)」 ●裂邪への憎悪、上昇中。たぶん死ぬよ、あいつ。 ☆記念撮影☆ (正義「今日で最後だし、皆で記念撮影しようよ。」) (奈海&コイン「「さんせぇーい!」」) (大王「まったく、元気だな。」) (勇弥「よし、じゃあいくぞ。」)(ジジジ・・・パシャ) 正義「あの写真が現像できたよ。」 コイン「うわぁ、見る見るぅー。」 コイン「正義くん達と私と大王は元より・・・。」 勇弥「【ベッドの下の男】に【テケトコ】、【赤マント青マント】・・・。」 奈海「【注射男】に【骨格標本】・・・、これ全部、私達が戦って、説得してきた都市伝説?」 大王「・・・、まさに6年間の集大成だな。」 一同「「まったく。」」 ●今思えば、皆がんばったね(他人事)。では、次は冬休み編です。 ―冬休み編 ☆始まり☆ 勇弥「この問題こうな。」 正義「うん、大丈夫。」 奈海「ここよく分からないんだけど。」 勇弥「あぁ、こうすれば簡単だぞ。」 正義「ここが、ここで、こうして、・・・できた!」 勇弥「よし!宿題終了!」 勇弥「よぉーし、冬休みの宿題制覇ー!これで遊びたい放題だぁ!」 奈海「あんた本当にすごいわね。交換してよ。」 コイン「私リストラ!?」 ●コインも便利なんだけど、覚え方に関してはしっかり教えてくれる【電脳世界=自然界論】に軍配。 ☆クリスマス☆ 正義「今日は『クリスマスイヴ』かぁ。」 勇弥「ん、もうそんな時期だな。」 大王「『クリスマスイヴ』?」 コイン「ほら、『サンタさんが良い子達のためにプレゼントを運んできてくれる』っていう日。」 大王「あぁ。あの都市伝説【サンタクロース】の事か。あいつは気に入ら」 奈海「あ!ダメ!しっ!」 正義「えぇ?!サンタさんって都市伝説だったの!?」 勇弥「あぁもう、正義が夢壊しちゃったじゃないか。」ヒソヒソ 大王「ぅ、よく分からんがすまない。」ヒソヒソ 正義「じゃあやっぱり契約者と一緒にプレゼントを配っていたの?!がんばってるね。」 奈海「う、うんそうかな?契約者は、知らないけど。」 勇弥「(良かった、逆にいるって思ってくれたらしい。)」 ●都市伝説=この世に存在する。ちなみに、大王の必要な情報にも【サンタクロース】があったらしい。 ☆プレゼント☆ ???「・・・。」のそのそ 大王「(ん?都市伝説か!?なんだ、【サンタクロース】か。放っておいてもよかろう。)」 サンタ「・・・?」ゴソゴソ・・・ ピラッ 手紙《いつもありがとう。これからもがんばってね。 正義より》 サンタ「・・・。」 ―――翌日 正義「プレゼントと一緒に『ありがとう』っていう手紙があったよ。」 勇弥「ん?まぁ良かったじゃねぇか。(本物のサンタさんなのか?よく分からねぇな都市伝説は。)」 大王「おい、俺のそばに『聖書』を置いたのは誰だ?」 一同「「多分サンタさん。」」 ●大王「だから嫌いなんだ!意味もなく他人に褒美を与えるなど、何を考えているんだ!?」だとさ。 ☆お年玉☆ 奈海&勇弥「「明けましておめでとうございまぁーす!」」 正義「あ、明けましておめでとう!」 黄昏母「いつもありがとうね。はい。」 奈海&勇弥「「ありがとうございます!」」 奈海「ところで勇弥。」 コイン「分かっているんでしょうね。」 勇弥「うっ、デジャブが。」ブルッ 奈海「お年玉いくらかしらぁー?」 コイン「私、噂に聞く『十万円玉』ねぇー。」 勇弥「くっ、とうとうコインちゃんまで値上がりした!?」 ●結局大した金額ではなかったそうな。○万が大した事ないとか。 ☆2度目は☆ 奈海「ねぇ、『カルタ』しない?」 勇弥「おぅ、いいぜ。」 正義「大王はこれを読んでね。」 大王「いいが、なんなんだこれは?」 大王「反射神経のトレーニングか?『犬も歩けば棒に当たる』。」 正義「はい!」 奈海「へ?」 大王「よし『猿も木から落ちる』。」 勇弥「おっと、取った!」 奈海「あれ?」 奈海「なにこれ!?十円玉じゃない!?」 正義「またコインちゃん使おうとしたの?」 勇弥「何度も同じ手に引っかかるか!」 コイン「盗まれてました!」 ●勇弥は トリックを おぼえた! ☆風を・・・☆ 勇弥「よし、『凧揚げ』するぞ。これならコインちゃん関係ない。」 奈海「まぁいいけど。」 コイン「私もやるぅ!」 大王「これは何のトレーニングなんだ?」 正義「理屈はいいから。うぅ、難しい。」 コイン「あぁ、揚がったと思ったのにぃ!」 奈海「あぁ!難しいわね。」 勇弥「おい!揚がったぞ!どうだ!」 正義「すごい、勇弥くんのところにだけ追い風が!風を操っているようだ!」 大王「少年、友の能力を思い出せ。」 ●風を操るなんて朝飯前でしたこの子。 ☆雪やこんこん☆ 勇弥「次は『羽子板』!」ワーワー 奈海「次は『福笑い』よ!」ギャーギャー 正義「・・・。」 正義「大王お願い!」 大王「だから・・・もういい、仕方がないな。」 奈海「あ、雪!」 勇弥「ん、珍しいな。・・・あぁ、大王さんの能力か。」 正義「『雪合戦』だぁ!」 勇弥「ぅお、やったなぁ!」 奈海「よし、私も!」 大王「何故俺がこんな事を・・・。」 ●大王の力を有効活用するの巻。 ☆事の始まり☆ 正義達「「行けぇ!うわぁ!」」ワァワァ 大王「おい、そろそろいいだろ。いい加減終わりにしろ。」 大王「聞こえているのか?もう終わりにッ」グシャ 奈海「あ、大王さんごめん。」 大王「・・・。」プルプル 勇弥「おい、嫌な予感が・・・。」 奈海「え、あ、あの、本当に、ごめん、なさい・・・。」 大王「お前らいい加減にしろ! そんなに遊びたければ俺が相手をしてやる! 俺を敵にまわした事を後悔しろ!」 勇弥「うわぁ!大王さんが起こったァアァ!」 奈海「もう戦うしかないの!?」 正義「ぅわぁーい、大王も雪合戦に参加だぁー!」 ●こうして せかいを まもるため まおうとの たたかいが はじまった !(自覚なし1名) ☆激闘の末に☆ 大王「喰らえェエェェ!」フュンフュンフュンッ! コイン「うわぁ!雪玉の雨がぁ!」 勇弥「『大気かまくら』!」ガシャッ、ガシャガシャッ 奈海「よし、『十円玉入り雪玉』生成。」 コイン「がってん!」ニギニギ 正義「いっくよぉ、『雪玉機関銃(マシンガン)』!」フュンフュンフュンッ! フュンフュンフュンッ! 大王「なにッ!ホーミング弾だとッ?!ぐわぁ!」ドスドスドスッ! 正義「うわぁーい!大王に勝ったぁ!」 勇弥「やったな、オレ達。」 奈海&コイン「ぃえーい!」パチンッ 大王「まさか、俺が、こんな、ガキ達に、・・・。」ズズッ ●まおうを たおした ! けいけんちを(略)。では、次章に続きます。 前ページ次ページ連載 - 舞い降りた大王
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【はないちもんめの人の「ベート事変」より】 「……おや?」 もやもやとした思いを抱えながら絵里が獄門寺家の家の前まで辿り着いた時だった 門のすぐ手前で、鬼灯と直斗が、何やら話している 門番はちょうど中にいるようで、そこにいるのは二人だけだ 「ーーー間違いなく、いるーーーーーーー恐らく、三年前とは違って、本格的にーーーー」 とぎれとぎれに、二人が話している内容が聞こえて来る 「鬼灯は、悪くないだろーーーーーー、好都合ーーー」 「ーーーーーたのは、俺だ」 絵里から見て、直斗は背中の方しか見えないため、表情はわからない ただ、鬼灯は どこか、思いつめているような…………普段の飄々とした様子とは違う、そんな表情で 「……今度こそ、逃がさない。俺が、仕留める。坊や達の手は汚させないさ」 そう言って、笑ったその顔は、自嘲しているようで 「……ま、それは龍哉や遥に言っとけ。俺、契約してないからろくに戦う手段持ってないんだしさ」 「それはそうだがな………お前さん、時々無茶やらかすだろうあ。心臓に悪ぃんだよ」 そよ、と、風が吹いて、かすかに、桜の花に似た香りがした 確か、鬼灯がつけている香の香りだ それに混じって、鬼灯が手元で弄んでいるキセル煙草の香り 鬼灯が、顔を上げて、絵里に気づいた いつもの、飄々とした軽い表情に、戻る 「よーぉ、お帰り。用事はすんだのか?」 「えぇ、まぁ………」 何を、話していたのか 訪ねようとしたのだが、それよりも先に、直斗が口を開いた 「じゃ、俺はこれで。学校のほうでなんかあったら、鬼灯にも話すようにするから………絵里さんは、お疲れ様」 それじゃ、と、気楽に手をふり、帰っていく 夕暮れ時、黄昏時 かつて、この時刻の学校町は限りなく危険だった 都市伝説が、姿を表しやすい時間だから それでも、大多数の人間は都市伝説等知らずに生活しているままだが………直斗のように、都市伝説という存在を知っている方が、危ないのだ 知っているからこそか、都市伝説を引きつけてしまう、ということは多いのだから ……今の学校町は、そこまで危険ではない 少なくとも、今のところは 直斗を見送り、絵里は改めて、鬼灯に向き直った 「あの、何の話をしていたんですか?」 「んー………?いや、大した話じゃねぇさ、気にするな」 ぽふぽふ、と、まるで、子供相手にするように、軽く頭を撫でられた 子供じゃないんですよ、とその手から逃げると、子供みたいなもんだろう、とくつくつと笑ってくる 「……大した話のように、聞こえた気がしますが」 「気のせいだっつの、気にするな………あぁ、嬢ちゃん。夕食、あの蛇の女が作るみたいだから、嬢ちゃんは夕食前にシャワーでも浴びとけ」 「あ、しまった、もう蛇城さんが作り始めてますか……やあ、手伝わないと」 「いいから、シャワー浴びに行っとけ」 ぺふりっ、と もう一度、少し強引に頭を撫でられた 「……………その顔で、龍一達の前に出る気か」 「!」 「顔に出てる。何があったか聞くつもりはねぇが。心配させる気なかったら、隠しとけ」 ぼそりと言われたその言葉に 動揺を隠し通せたかどうかは、わからなかった to be … ? 前ページ次ページ連載 - 次世代の子供達
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月の下、絶叫が響き渡り、血飛沫が飛ぶ 野生の兄貴が、今夜も狩られる 憎悪と殺意を漲らせ 一人の青年が、兄貴達をメッタ切りにしていた かくして、今宵もまた、十数体の野生の兄貴が、「かごめかごめ」の契約者によって退治されたのだった 「お見事ですね。流石は「組織」の人間です」 そんな青年に、淡々と声をかけてきた女性がいた …この学校町の警察組織において、幹部クラスに身を置いている女性で、名前は広瀬 美緒 どうやら「組織」と繋がりがあるようで、今回の野生の兄貴出没報告をしてきたのは彼女なのだ 正確には、彼女が「組織」のエージェントである黒服Hに連絡し、そこから青年に仕事が回ってきたのだが 「…あれに関しては、本当、ご迷惑かけます」 「全くです。一般人の被害報告がどれだけ出ていると思っているのです」 頭を下げた青年に、容赦なく広瀬はそう告げた 反論できないのが、痛い 「聞いた話によれば、あれが発生した原因は「組織」のとある黒服が原因だとか……「組織」は、一体何をやっているのです。訴えますよ?勝ちますよ?」 「「「あれを制御できる奴なんて、この世に存在しない」」」 きっぱり 青年と、ハクとコンの言葉が見事にシンクロした うん、あの禿をコントロールできる存在なんて、この世に存在してくれていない 悲しいことに 青年達の答えに、広瀬は小さくため息をついた 「…まぁ、いいでしょう。再び、あれの出没証言がでましたら、あなたに伝えます。連絡先を教えてくださるでしょうか?」 「えぇ、構いませんよ」 携帯電話の番号をやり取りする 正直、直接連絡してくれた方が、即座に退治にいけるから、ありがたい 滅びよ、野生の兄貴 ゲイなんぞ滅びよ 軽く、憎悪をたぎらせる青年 そんな様子に気付いているのかいないのか…広瀬は、小さくため息をついた 「…あなたのようなまともな人も、「組織」にいて助かりました。むしろ、あなたのような方と、先に接触したかったです」 「………まぁ、最初に接触したのが、あのHじゃねぇ」 うん、となにやら納得した様子のハク あの男は、色んな意味で問題があるから …特に、女性にとっては 「全くです……よりによって……」 ……ふと 広瀬の表情に……寂しさのような、悲しさのような そんな色が、混じったような そんな錯覚を、青年は覚えた しかし、すぐにその表情は、冷たい物へと変わる 「…それでは、私はこれで」 「あ、はい」 かつかつと、ヒールをならして立ち去る広瀬 その最中、仕事の電話が入ったのだろうか 歩きながら対応している …なかなかに、忙しそうだ 「……うん?どうしかしたのか?」 「あぁ、いえ」 その後ろ姿を、無意識にじっと見つめてしまって コンに話し掛けられて正気に戻った青年は、軽く首を振った 気のせいだろうか あの広瀬という女性は、都市伝説のことを口にしている時 ハクやコンと話している時…憎悪を、押し隠しているような気配がした 都市伝説を、憎いんでいるのだろうか 憎んでいて、そうだと言うのに いや、それだからこそ、「組織」と繋がりを持って、都市伝説の存在を隠そうとしているのか …ただ、それだけでは、なくて 「…気のせい、ですかね」 気のせいならいいのだが あの広瀬という女性が、何か、都市伝説に付いて…もしくは「組織」に関する何かに関して 何か、因縁を持っているような そんな錯覚を、青年は覚えたのだった to be … ? 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
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「なんなんだ…こいつらは……」 確かに首無し騎士の攻撃は通っている。首を切り落としていものまでいるってのに…… なのにこいつらは立ち上がってくる。 「マジでなんなんだよ、こいつらはよ! というか、なんで千葉にいるはずのこいつらが!」 無理だ。こんなのに勝てるはずがない。 「逃げるぞ!」 首無し騎士の馬に飛び乗る。騎士は直ぐさま馬を走らせた。 なんなんだこの町は…… さっきの奴らといい、組織とかいうのといい…… それもこれも、この首無し騎士に出会ったのが原因だ。 こいつの、首をとった相手がこの町にいる噂をきいて、俺はこの町にきた。 「よ、よし、ここまでくれば大丈夫だ」 着いたのは俺が数ヶ月前から通っている学校、何故かこのあたりは組織や危険な都市伝説の動きがあまり見られない。 といっても、まったく都市伝説がいないってわけでもない。 いや、むしろ学校内には都市伝説と契約した奴らが複数いるくらいだ。 「お前はバレないようにどっか隠れてろ」 そう言うと、騎士は馬を走らせグラウンドのほうへとむかっていった。 「さて、あの変な奴らがいなくなるまで少し校舎に隠れてるか」 どうせ放っておけば、組織が潰してくれるだろう。 いや、組織のほうが負ける可能性もあるかな? いいや、どっちか片方が消えてくれるなら、それで万々歳だ。 そんな考えをしていると、自然と鼻歌をまじりになってしまう。 「あー…駄目だ、ここも鍵かかってる……」 どこか特別教室に隠れようと思っていたのだが、どこもかしこも盗難予防のためか鍵がかかっている。 「ここも駄目だったら全滅だぞ」 理科準備室、理科室はあいてなかったものの、 理科の先生は、結構いい加減なところがあるので準備室は忘れてるのではないか、と思ったのだ。 「さて……」 準備室の扉に手をかける。そしてゆっくりと力をこめた。 えっと……いや……準備室の扉は開いたんだ。 そのときもしかしたら、理科の先生がいるのかな?とかも考えたんだけどさ…… そこにいたのは、俺がこの前助けた転校生。 いや、それでも、それだけならここまで驚かなかったと思う。 そう、その子が骨格標本にかぶりついてさえいなければ。 なんなんだ……この町は不可解なことが多過ぎる 終 前ページ次ページ連載 - 首無し騎士の契約者
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買って嬉しい はないちもんめ まけて悔しい はないちもんめ あの子が欲しい あの子じゃわからん この子が欲しい この子じゃわからん 相談しよう そうしよう 俺が組織からの命令は○○町に組織に非協力的かつ危険な契約者がいるから始末して来いと言う物だった 組織の命令でしかも危険な契約者となれば戸惑う必要はどこにも無く二つ返事でOKした俺だったが今は少し後悔している その契約者はまだ年端も行かぬ少女だったからだ 「おじさん?」 「・・・ん?」 イカン・・・考え事をしていた所為で標的が目の前まで来ている事に気付かなかった 「少しお願いがあるの・・・あの帽子を取ってくれない?風で飛ばされちゃったの」 見ると確かに木に帽子が引っかかっている 本当なら今すぐ始末するべきだったんだろうが相手が子供な事からこの任務に抵抗を感じていた俺は最後の頼み位聞いてやろうと帽子を取ってやった 「ありがとう、叔父さん良い人ね」 「あ、あぁ・・・」 「だからね」 少女が朗らかに笑い 「苦しまないように殺してあげるわ」 背筋が凍る様な声でそう言った 「え?」 俺の戸惑いを他所に後ろにあったマンホールの蓋が飛び、中から巨大な生物が現れる 白いワニ、俺が契約した都市伝説だ 「何?!」 契約者の俺の意思と関係なしに鰐が出てきた・・・どう言う事だ!? 「やだ、組織から私の能力聞いてなかったの? 相変わらず杜撰な所ね・・・最期だから教えてあげるわ 私の都市伝説はね――はないちもんめ」 「・・・まさか」 「はないちもんめ」は有名な童謡だがその歌詞の内容は人身売買の歌だと聞いた事がある 「そ、相手にお金を渡す事で相手の都市伝説や仲間を操る事が出来るようになる・・・それが私のはないちもんめの能力」 「金を渡す・・・だと?」 「鈍いわねぇ、帽子の裏を見て御覧なさい」 言われて帽子の裏を見る 帽子の裏には100円玉が貼り付けてあった 「・・・・・・」 「その100円で、あなたのワニ買わせてもらったわ」 とても楽しそうに笑う少女 こんなの、子供のする表情じゃない・・・ 「子供相手だと油断した時点で貴方の負け・・・食べちゃえ」 少女のその言葉を聞いてワニがこちらに向ってくる 今まで何年も共に戦った相棒が俺に・・・・・・バクンッ クチャ・・・クチャ・・・ 「さよなら、間抜けな叔父さん」
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○月×日 21:00 パソコンルーム 「…状況、は…?」 「爆発する携帯電話」の契約者が、静かに尋ねる すると…教室中のパソコンの電源が、一斉に入った パっ、パっ、パッ……と、それぞれに監視カメラの映像が映し出される 『カミナリノオトデワカッテルカモシレナイガ、さんだーばーどガタタカイダシタゼ、バカデケェろぼっとトナ。アトハ、ショクドウノマエニズイブンナオオニンズウガアツマッテンノト……ア~、ニカイノキョウシツデモタタカイガハジマッテンンナ』 パソコンから聞こえてくる機械的な声 教室の中央のパソコンに、男性の映像が映し出された 都市伝説「スーパーハカー」が作り出した、彼自身の(理想とする)姿だ 本来の姿を持たない彼は、こうやって擬似的に姿や声を作りだし、他人とコミュニケーションをとるのだ 「なるほど、これで少年が傷ついた事がわかったのですね?」 「……あぁ」 オーナーの言葉に、「爆発する携帯電話」はこくりと頷く この校舎内の監視カメラは、完全に「スーパーハカー」の支配下におかれているのだ 校舎内に侵入した者達の様子も、全て感知する事ができる 「…っつか、映像の数すげぇな。いくつ監視カメラあるんだよ」 「……20台は超えている、らしい……」 『イヤダネェ、カンシシャカイッテヤツハ』 それを利用していることを棚に上げて、スーパーハカーが肩をすくめた ……と、映像内に、黒い群れから逃げている女性の姿が映った その様子に、「爆発する携帯電話」がぴくり、小さく反応したが…女性が階段を登って逃亡したのを見て、小さくほっとしたようにため息をつく 「何じゃ、あのゴキ○リの群れは?あれも、お前さん達の仲間の仕業かの?」 「……違う…あれ、知らない…」 ふるふる ひきこさんの問いかけに、首を左右に振る「爆発する携帯電話」 先程のネズミの群れと言い…校舎内に、マッドガッサー一味以外の勢力によるアニマルパニックやGパニックが起こっているようである 「…そうです、一つ、聞いても良いですか?」 「……?何、だ…?」 「司祭様…マリ・ヴェリテは、以前、静かに暮らしたいと、そう言っていました……その発言は、彼の真意なのでしょうか?」 オーナーの問いかけに…「爆発する携帯電話」は、考え込むように俯いた …やがて、ぽそぽそと答える 「…本音、だと、思う…」 ぴすぴす、ジャッカロープが鼻を鳴らしながら頷いた 「爆発する携帯電話」の考えに、同意しているようだ 「…マリ、は…ヨーロッパに居た頃……何度か、人食いをやめようとした、と……人を襲わずに生きようとしたことがある、と、聞いて…いる」 「それじゃあ…」 どうして、まだ人食いを続けているのか 少年が尋ねようとしたその内容を察したのだろう 「爆発する携帯電話」が、続ける 「…信じてもらえなかった…と、聞いている」 「信じて……ですか」 オーナーは、以前、マリが司祭の姿で話していたことを思い出す 『向こうには、都市伝説と呼ばれる存在を狩る事を生業としている者も多いんです。その手の者は、その都市伝説がほんの少しでも悪い噂から…人を害する噂から生まれた、となれば、たとえその都市伝説が人間と分かり合おうとしていても、狩りたてようとしますから』 信じてもらえなかった それは、間違いなく、マリの実体験だったのだろう 人食いをやめようとしても、人を襲うのをやめようとしても ……誰にも、信じてもらえなかった 「じゃから、人食いを続けていた、と?」 「っちょ、ばーちゃん!」 「……………」 ---ひきこさんの言葉に俯いてしまう「爆発する携帯電話」 ぴすぴす、ジャッカロープが心配そうに見あげる 「……罪を」 「…?」 「罪、を……押し付けられた、と…聞いた…」 「…罪を?」 こくり、頷く「爆発する携帯電話」 --「爆発する携帯電話」も、詳しくは聞いていない マリが、その経験を詳しくは話さなかったから ただ 「罪を押し付けられた」と、そう、苦々しい表情で言っていた 「マリ・ヴェリテのベート」と言う都市伝説を人食いであらせようと…「悪」のままでいらせようとした存在が居る その事実が、確かに存在している 静かに暮らす事すら、彼は許されなかったのだ 「…自暴自棄になってしまったのかもしれませんね。「悪」と言うレッテルを、強制的に押し付けられて」 ぽつりと、オーナーがそう呟いた どんなに望んでも、人食いである事を強制させられて 誰とも、心を許し会う事すらできずに生き続けた都市伝説 その心が歪まずにいられたならば、それは一種の奇跡だろう 今のマリ・ヴェリテには、この「爆発する携帯電話」のような仲間がいる 長い長い生の中、ようやく手に入れた仲間 それを、決して失いたくはないのだろう だからこそ、今回の行動を起こした 世界中、全てを変えるために 世界中の全てから、自分達を害する者を排除する為に どこまでも自分勝手で、しかし、どこまでも仲間を思うが故の行動 だが、だからこそ、止めなければならない 「マッドガッサーは、屋上にいるんだよな?」 「あぁ………でも……」 『ソウカンタンニャア、セットクニオウジナイトオモウゼ?』 「爆発する携帯電話」の心境を、スーパーハカーが代弁した そう簡単に説得に応じる程度の覚悟で、今回の行動を起こせるはずもない 「爆発する携帯電話」だけではなく…他の者も、説得すれば マッドガッサーを、思いとどまらせる事はできるだろうか? 「…マッドガッサーと、マリを、説得できれば……多分、止められる」 「じゃが、その為には他にも誰か説得しなければいかんと言う事じゃな?」 「………くけっ」 こくり、ひきこさんの言葉に頷く「爆発する携帯電話」 ならば…まずは、他の誰かを説得するまでだ 「携帯のにーちゃんの仲間は、屋上以外にどこに!?」 『ン~…アァ、まりガイマ、ぐらうんどニイルナ。マジョノイチゲキモソコニイル。13カイダンガセイトカイシツヨコノカイダンノオドリバデ…………------っ!?』 「……?どうした……?」 『はにー!イソイデソコカラハナレロ!!』 「……え」 慌てた声を出すスーパーハカー 彼が、とある監視カメラの映像を慌てて映し出す それは…「爆発する携帯電話」達がいる、パソコンルームの前の廊下だ そこを……かさかさ かさかさかさかさかさ 無数の、黒い………Gが、縦横無尽に走っていて 「--っちょ!?まさか、囲まれてんのかよ!?」 『コノご○ぶり、ジカンガタツゴトニフエテヤガルッ!?コノキョウシツノマエデドンドンゾウショクシテンゾ!!』 「…これは、何とかしないと、ここから脱出できなくなるかもしれませんね…」 冷や汗をかくオーナー 相手がゴキブ○とは言え、都市伝説の影響を受けている可能性があるのだ ただの○キブリを侮ってはいけない ……とにかく 誰かを説得しに行くとしても…まずは、このパソコンルームから脱出するのが、先だ 少年とオーナーは、手にした獲物を静かに、構えなおしたのだった to be … ? 前ページ次ページ連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち
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「……ふぅん」 そのチラシを、真っ赤な靴を履いた少女は興味なさげに見つめていた 背後に立つ赤い靴が、少女に尋ねる 「手は出すなよ?」 「わかってるわよ。無理無理。ラスボスどころか隠しボスクラスじゃないの」 そう答え、ぺい、とチラシを捨てる少女 赤い靴は、少女の返答にほっとした …己の契約者に、こんな危険な都市伝説と積極的に戦って欲しくない 赤い靴は己の願いが叶った事に、酷くほっとした 「………」 そして 少女が投げ捨てたチラシを拾った女性が、一人 そのチラシを見て…憂鬱な表情を浮かべた …あぁ、あの都市伝説が、何かこの町に災いを運ぶと言うのか きっと、あの人はこれを見逃さない たとえ、敵わないとわかっていても…取り込まれた人間たちを救おうと そして、「夢の国」それ自体を救おうとして…無理をしてしまうかもしれない 自分の命なんて、顧みず どうか、無茶をしないでください もう、命を落とさないで 彼女には、ただ、祈る事しかできなかった 前ページ連載 - 赤い靴
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ぽちゃん、と滴の落ちる音が響き渡る闇 陽の光が一切届かぬ洞窟の奥へと、人為的な光がゆっくりと進んでゆく 人間、にしては足音が重々しい それもその筈、光を灯し暗闇を歩いていたのは人型のロボットだった 2、3m程の高さのそのロボットは、目的地に辿りついたらしく、ようやく歩を止めた 《迎えに来たぞ、嵩久》 女性の声で、ロボットは誰かにそう呼びかけた ライトに照らされた先には、岩に座っていた半裸の青年が眩しそうに目を覆っていた 「随分早かったじゃないか」 《27回も同じ工程を繰り返したんだ、当然だろう?》 「もうそんなに“死んだ”か。大分期待が出来そうだな」 《早く出るぞ。もうこの景色は見飽きた》 ロボットは早々と今来た道を歩いてゆく やれやれ、とでも言うように首を振りながら、青年――嵩久は立ち上がり、それを追って歩き出した 「次の都市伝説の用意は?」 《既に黒の商人から封印石を55個預かっている》 「流石に鼻が利くな、あの商人……石の中身の詳細は?」 《またしても契約してからのお楽しみだそうだ。あいつは私達を舐めているのか?》 「フフ、まぁいい。強ければそれで良し、だが弱ければそれでも良し 死ねばまた、俺の心の器が大きくなり、都市伝説の容量も多くなる その内、あの「首塚」の平将門や、「組織」の黒服全員とでさえも単独で契約できるようになる…!」 《その度にまた私がこうしてお前を迎えに来なければならない 私としてはさっさと強力な都市伝説を寄越して1日でも長く生きて欲しいものだが》 「…相変わらず怠惰な奴だな」 《お前の過労ぶりこそ心底呆れるよ 幾度となく生と死を繰り返して……よく“死”を恐れないな》 「その先の“生”に恐怖を打ち消す程の希望を見出せるからな ある意味では、お前が俺の希望なんだ」 《……馬鹿》 ふふっ、とロボットは小さく笑った その時、嵩久は不意にまたも目を覆う 外の光が、闇を打ち消していた 「…成程、帰りも早いな」 《お帰りなさい、嘉藤嵩久 28回目の御帰還だ》 そう言って、彼等は洞窟を―――「黄泉比良坂」を出た ...end 「単発もの」に戻る ページ最上部へ
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ぽ~ん ぽ~ん、と飛び跳ねるビーチボール 「ほらっ、望」 「OKっ!」 ばしっ!! 友美がトスしたボールをアタックする望 飛んでいったビーチボールを 「ちゅーーー!」 ばしぃっ!! 「ノロイが返したっ!?」 「どこまでハツカネズミを超越し続ける気、ノロイ!?」 「ちゅっちゅー」 ノロイが、水面からジャンプして返した 本当に、どこまでもハツカネズミを越えている これでいて、まだ完全に都市伝説化していないと言うのだから不思議である 「うー!滝夜叉、ボールこっち来たー」 「ふん、任せるが良い」 飛んできたビーチボール うーうー言う幸太に、滝夜叉はそう答え っぽん!! 出現した大髑髏が、ボールを返す!! 「アウトー」 「何故じゃ?」 「いやいや、滝夜叉様。ちょうど一般人の人目がなかったからさておき、そうじゃなかったら見られたらヤバイから」 詩織と望の突っ込みに、首をかしげる滝夜叉 やはり、彼女も将門の娘と言うべきか 微妙に大雑把で困る あぁ、向こうで裂邪達が、突然出現した髑髏に驚いている驚いている ま、都市伝説関係者だとバレているらしいから、いいか 一応、敵でもないようだし そう判断した望 滝夜叉(の、髑髏)が返して、誰にも触れられずプールに落ちたビーチボールを回収しようとして 「-----------!!」 ぞくり 迫る気配に、気づいた 「望?どうし…」 迫る気配に対し 望は慌てず騒がず、手身近に居た詩織を引っつかみ 「詩織バリアー!!」 「っちょ!?」 迫る気配に対し、詩織を盾にする!!! 直後 水の流れが、速くなって すぽーーーーーん!! 「へ?」 詩織が着ていた、ワンピースタイプの、水着が どうやってか脱げて、プールの流れに持っていかれる!!! 「ご、ご主人様、見ちゃ駄目ですっ!!」 っば!!と、ミナワが慌てて裂邪の目を塞いでいる声が聞こえてきた 詩織は、水着が脱げただけで…ひとまず、肉体的被害はなさそうである 「何、どうしたの!?」 「…水の中、何かいる!」 友美の言葉に、そう答える望 水の中に、何か……都市伝説が、いて それが、詩織の水着を剥ぎ取ったのだ 「うー………いる、いる……一人じゃない、うーうー!!」 幸太も、何か感じ取ったのだろう 滝夜叉にくっつき、うーうー言い出す 「…とにかく、バリアは有限だから。慎重に扱わないとね」 「と、言いながら、なんで私を掴むの!?」 引っつかんだ友美が何か言ってくるが、気にしない とにかく、水着を剥かれないよう、気をつけないと……… 「望!?」 「どうした!?何があった!?」 と 騒ぎを聞きつけたのか、大樹達が駆けつけた ……って ざぱっ!! 「うぉっ!?」 「翼は見るなっ!?」 自分の裸じゃなくて、詩織の裸だけど 自分と同じ体型なのだから、自分が見られているようで恥ずかしいっ!? 大樹には、いくらでも見られていいし、虎吉は何かもうどうでもいいけどっ!? 「詩織ちゃん、ほら、タオル!」 「ありがと、虎吉さん……ノロイ、水着お願い!」 「ちゅちゅー!」 ばっちゃばっちゃばっちゃ クロールで泳いでいくノロイを見送りながら、望は警戒を続ける すぅ、すぅ、と 水の中で蠢く、何か 明らかに、都市伝説の気配 「……誰よ、出てきなさい!」 果敢に、叫ぶ望 すると 『----くっくっく』 『くすくすくすくすくすくす……』 『見つかった?見つかった?』 『まぁ、ここまで派手にやればなぁ』 聞こえてきた、複数の声 …複数? そう言えば、幸太が「一人じゃない」と言ったよう、な…… ざぱんっ!!と 水から姿を現した、それ …それは、水、そのものに見えた 水そのものが………人の形を、とっている それが、4体 水から姿を現し、半ば水と同化した状態で、はっきりとした異形が現れる 「水関係の都市伝説……?………いえ、その実体がはっきりしない気配、プールに出現したところから……「プールの排水溝に吸い込まれて死んだ子供の幽霊が、新たな被害者を生み出す」と言う系列、ですか?」 現れた異形を見据えながら、大樹がそう発言する くすくすくす 異形達が笑う 『あぁ、バレた?バレた?』 『そこまで推理できるもんなんだね』 『そうだよ、僕らはそう言う都市伝説』 『でも、心配しないで、僕らは人間殺さない』 楽しげに、動く異形 人形でありながら、不定形に姿を変え続けるそれは、幻想的であると同時に、酷く不気味だ 『だって、人間を殺したら、「組織」とかに目をつけられるから』 『だから、殺さない』 『でも、僕らの本能は、何かを吸い寄せたくなる』 『でも、人間を排水溝に吸い込んだら死んでしまうしね』 だから、と 4体の異形が、不気味に、不気味に……笑った 『よって!!僕らは、女性の水着を剥く事にした!!!』 『目の保養にもなっていいよね!』 『巨乳ひゃっほぅ!!!』 『ぼくはロリの方がいいなー』 ……… ………… …………… 「変態ね」 「そうだな」 「…そうですね」 うん 変態だ 間違いなく、変態集団だ 人間を殺さないという方向性はいいが、どうしてこうなった 『一般客相手には、自然と脱げそうな水着しか剥かないが…』 『都市伝説相手とか、契約者相手なら、別にいいよね!』 『ちょっとくらい不自然でも、この街どうにかなるし!』 『……と、言う訳で』 ずるり 異形達が…水へと、帰っていく!!! 『『『『止められるものなら、止めてみろ!!!』』』』 「---っしまった!?」 相手の姿は、ほぼ水そのもの …プールの水に入られては、その姿を視認するのは、困難 止める間もなく、異形達はプールの水に入っていってしまった!! 「っく…あまりに堂々とした変態発言に、うっかり聞き入ってしまった自分が憎い…!」 「望!とにかく、プールからあがってください。恐らく、相手の能力を考えれば、水に入っていなければ効果は及びません!」 大樹の言葉にわかったわ、と頷き、プールから上がろうとする望 あの変態を警戒し、友美を掴んだままである。いつでも身代わりに出来るように と 「翼?」 ざぱ、と 代わりに、翼がプールに入っていった 「あいつらが狙うのは女だろ?俺なら平気だし、何とか相手の姿見る事ができりゃ、あんな水の体、蒸発させて……」 見る事さえできれば、翼はいつでも戦える 警戒するよう、辺りの水を見回す翼だった、が 直後 翼の周りの水の流れが、速くなって 「………へ?」 「あ、あれ」 …ぷかぷか ……翼の、水着が 思い切り、脱げて、流された 「っちょ!?」 さすがに、慌てる翼 ……ざわり 水が、人の形を作る!! 『はははははははは!!!我が同胞4人は女性狙いだが、俺は男以外に興味がなくてうぎゃあ!!??』 「やかましいっ!?死ね、この、ど変態っ!!!』 ……姿を現した、最後の変態は 姿を現したが故に、翼の「日焼けマシンで人間ステーキ」の能力を食らって その熱さに悶え、慌てて水の中へと避難したのだった なお 翼の水着は 「ちゅちゅー」 「あ、ありがとな、ノロイ」 ノロイが無事回収して、翼に手渡したそうな 困った事だが、続くんぢゃ 前ページ次ページ連載 - 悪意が嘲う・悪意が消えたその後に
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自分たちは、葬儀には参列しなかった …葬儀に参列など、自分たちはできる姿ではない 赤 二人とも、まとう衣装は赤 葬儀に相応しくない 自分たちは、この赤を脱ぎ去る事はできないのだ なぜならば、この赤は自分たちの証明 自分たちが、生きている証なのだから せめて、と花を供え、香典だけはあげてきた …自分たちにできるのはそれくらいなのだ 「…赤マント」 「うん?」 …ぎゅう、と 赤いはんてんが、赤マントの手を、しっかりと握り緊めてきた 「赤マントは……私の前から、いなくならない、です?」 「………」 じっと、じっと 不安げに見つめてくる赤いはんてん …今まで、生きてきて 何人もの人間の死に遭遇してきた はるか昔には、自分たちとて、人間に死を振り下ろしてきた そんな自分たちは、人間の生命に対し、やや淡白になっていた …そんな、自分たちにとっても 彼の死は衝撃的すぎた 都市伝説である自分たちにも、気軽に利用できる店 温かかったあの場所が、心無き者によって汚された それが、ただただ悔しく …そして 親しかった者の死は、都市伝説の心にも影を落とし、不安を生む 「…私は、君の前からいなくなったりなどしないよ」 いなくならない 死んだりしない …彼女から離れるつもりは、到底ないのだ 「だから、君も。私の前から、いなくならないでくれ」 「…当然なのです」 ぎゅう、と赤いはんてんが、しっかりと手を握り緊めてきた …その手が微かに震えていることに気付きながらも、赤マントはそれを指摘はしない ……どろり 心に、黒い染みが落ちる 復讐せよと誰かが叫ぶ (…だが) 軽く、首を左右にふる 復讐せよと誰かが叫ぶ 殺すな、と他の誰かが叫ぶ わかっている、知っている また、己の手を血で染め上げる事があれば …きっと、もう、自分は自分でいられなくなるだろう、と さようなら あなたは、もうここにはいない 皆、悲しんでいます 皆、嘆いています 皆のこの悲しみは、嘆きは ……あなたに届いていますか? Red Cape …ふぅ、と 葬儀会場を抜け出し、彼はタバコを咥えた …悲しみに満ちた、会場 その悲しみに、押しつぶされそうになる 「…あの時以来か」 久々に引っ張り出してきた喪服 これを着たのは、両親の葬儀以来だ 「……俺の方が、先だと思ってたんだがな…」 首筋に、触れる 恐らくは、自分の方が先だと思っていた そうなりかねない『理由』が、自分にはあるから …しかし、まさか マスター先に死ぬとは思ってもいなかった あの少年は、どうなるのだろうか 親子のような関係だったはずの二人 父親代わりのあのマスターに死なれてしまって…一体、彼はどうなるのか 「………」 首筋に触れ続ける …もし、自分が死んだら 弟がどうなるか、考える 思い出す …両親が死んだ日の事を 首のない、二人の死体を テーブルの上に乗せられた、二人の首を…見てしまった時の、弟の事を 「………っち」 くしゃり タバコを握りつぶす 考えても仕方ない その時がきたら、自分は精一杯抗うまでだ だが、もしかしたら… 「……なるべく、会いに行くのが遅くなるよう、努力しておくか」 ふらり、会場に戻る あの少年の今後の事を心配しながらも …彼はまだ、自分の首に触れたままだった …その事実を、俺はあの不良教師から聞かされた まだ高校生に過ぎない俺は、喪服なんて持っていなくて 学校の制服で、その葬儀に参列していた 俺の隣には、妹のお下がりの黒いワンピースを着た花子さんがいる 「……もう、会えないんだね」 寂しそうに、花子さんが呟いた ルーモアのマスターが、死んだ 詳しい事は、俺は聞かされていない しかし…普通の死に方ではなかったのだ、と直感する 都市伝説 それに絡んでいる存在 それが、普通に死ねるとしたら…きっと、それは奇跡なのかもしれない 俺だって 一歩間違えば、いつかは死んでしまうだろう 都市伝説との戦いで それでも 俺は、こちら側に踏み込んだ 花子さんの手をとった だから……その覚悟は、できている できていた、つもりだった それでも、知り合いの死に衝撃を受ける じわり 死への恐怖が、生まれる 「…けーやくしゃ?」 「ん…何でもないよ」 す、と、飾られた遺影に目を向ける 控えめに微笑んでいる笑顔 …もう、あれを現実に見ることは叶わない 自分にできる事は、冥福を祈ることだけ 残された、あの輪という少年が今後、無事に生活できるよう、辛うじてできることならばしてやりたい 所詮、真実を知らされてない自分にできることは …たった、それだけなのだ しめやかに行われる葬儀 その中で、嗚咽が絶える事は、いつまでも、なかった ずしりと、重い空気を感じる 両親の仕事の付き合いの葬儀には、よく出席してきていた けれど…ここまでに、参列者のほぼ全てが悲しんでいる葬儀など、初めてだった 「………」 じっと、遺影を見つめる 優しい人だった どうして、あんなに他人に優しくできるのか、彼女にはわからなかった 他人など、蹴落とすもの そうと教えられ、そして考えてきた彼女には理解できなかった …しかし こんなにも傲慢で、ワガママな彼女にすら 彼は、優しかったのだ くしゃり 赤い靴が、頭を撫でてきた 煩いわね、と振り払うと、代わりにハンカチを渡された 何よ、それをどうしろと言うの …涙を拭くため? 何よ、涙なんて… 「………ぁ」 つぅ、と 頬を一筋、温かいものが流れる …違う 涙なんかじゃない 私が、誰かが死んだことで涙なんて流すものか 違う、違う 悲しくなんかない 他人の死に、悲しみなんて… 「…無理するもんじゃない」 うるさい 煩い、煩い、煩いっ!! そんな事を言うな そんな事を言わないでっ!! あぁ、そうだ きっと、私は悲しいのだろう 私みたいな子供にすら優しかった、ルーモアのマスターの死が 詳しい事は聞かされていない ただ、それはあまりにも突然すぎて 「………」 赤い靴から渡されたハンカチで、乱暴に涙を拭く ……どうしても どうしても、マスターの死の真相が、気になった 彼の死を教えてくれた黒服は、詳しい事は教えてくれなかった しかし、聞き出そうとした私への…どこか、途惑っているような、悩んでいるような対応で、わかった マスターは、何かトラブルに巻き込まれて死亡したのだと もしかしたら、殺されたのだ、と 恨まれるような人ではなかったけれど あの人は、都市伝説に関わっていたのだ ありえないことではない 「………」 もう一度、遺影を見つめる もし もし、あの人を殺したのが、都市伝説ならば そんな奴、私が倒してやる これは、ゲームではない 私の復讐 都市伝説と契約していようと、所詮子供に過ぎない私には、それを殺すことはできないかもしれない しかし、もし、見つけたならば 徹底的に、痛めつけてやる 私のその復讐心が、伝わったのだろう 赤い靴は、生意気にも少し心配そうな顔をしつつも …しかし、私の決意に、釘をさしてはこなかった 前ページ連載 - 花子さんと契約した男の話